業種を問わず、ホームページのリニューアル(作り直し)を考えていて、「作り直したら検索から消えないか」が気になっている経営者・ご担当者に向けた記事です。
リニューアルで検索順位が落ちる原因の多くは、デザインではなく、ページの住所(URL)が変わることです。検索エンジンは、ページごとの評価をURLにひもづけて覚えています。URLが変わったのに、古い住所から新しい住所への案内がなければ、積み上げた評価は新しいページに届きません。
dobは自社サイトの一部、約1,900ページを、別のドメインへ移しました。この記事では、そのときに組んだ手順と、作業の途中で実際に起きた6つの落とし穴をもとに、リニューアルの前後に確かめることをまとめます。
この記事でわかること
- 順位が落ちる仕組み
- 作業の前に用意する3つのもの
- 切り替え当日の順番
- 公開直後に確かめること(実際に起きた6つの落とし穴)
- 公開後の数か月にやること
この記事の結論
- 順位を守る中心は、古いURLから新しいURLへの転送(301リダイレクト)
- 作業の前に「今あるページの一覧」を作り、ページごとに残す・転送する・やめるを決める
- 切り替え当日は「新しいサイトを検索に出す設定」→「転送」→「Search Consoleへの送信」の順
- 公開直後は、見た目だけでなく、本文・フォームの送信・アクセス解析まで実際に動かして確かめる
- 転送は1年以上、できれば外さずに残す
順位が落ちる仕組み
リニューアルで変わりやすいのは、次の3つです。
- ページのURL(ドメインの変更、階層の整理、ページ名の変更)
- ページの中身(検索で読まれていた文章を削る・まとめる)
- サイトの中のリンク(メニューやフッターから外れる)
この中で影響がいちばん大きいのがURLです。古いURLを開いた人や検索エンジンを、新しいURLへ自動で案内するのが301リダイレクト(恒久的な転送)です。301があれば、Googleは古いページの評価を新しいページへ移していきます。
逆に、URLが変わったのに転送がないと、古いページは「見つかりません(404)」になり、新しいページはゼロから評価を積み直すことになります。外部のサイトから張られていたリンクも、行き先を失います。
URLが変わるとき、評価はどこへ行くか
外からのリンクや検索での評価は、ページのURLに集まっています
URLは説明のための例です。
URLを一切変えずに作り直せるなら、それがいちばん安全です。変える場合は、次の手順で進めます。
作業の前に用意する3つのもの
今あるページの一覧
今のサイトのページを全部書き出し、1ページずつ「そのまま残す」「新しいURLへ転送する」「やめる(近いページへ転送する)」を決めます。Search Consoleで検索から人が来ているページ、外部からリンクされているページは、必ず転送先を決めます。
今あるページの一覧の見本
1ページ1行で、扱いと行き先を決めます
| 今のURL | 扱い | 行き先 |
|---|---|---|
/ | 残す | / |
/service/ | 残す | /service/ |
/blog/a/ | 転送 | /column/a/ |
/blog/b/ | 転送 | /column/b/ |
/news/2019/ | やめる | /news/ |
/staff/ | やめる | /company/ |
架空のサイトの例です。「やめる」ページも、近いページへ転送します。
バックアップ
今のサイトをまるごと保存しておきます。切り替えでうまくいかなかったとき、戻せる状態にしてから始めます。
検索に出さない設定の新しいサイト
新しいサイトは、公開の直前まで「検索エンジンに出さない」設定(noindex)にして作ります。完成前のページが検索結果に並ぶのを防ぐためです。アクセス解析とSearch Consoleも、この段階で新しいサイト用に用意しておきます。
切り替え当日の順番
- バックアップの取り直し
切り替えの直前の状態を保存します。
- 新しいサイトの「検索に出さない」設定を外す
ここから新しいサイトが検索の対象になります。
- 古いURLから新しいURLへ301を張る
2の直後に続けて行います。
- 転送の確かめ
古いURLをいくつか開き、正しい新しいページに着くかを見ます。トップ、一覧、個別のページなど、階層ごとに1つずつ。
- Search Consoleへのサイトマップ送信
新しいサイトのサイトマップを送ります。
- 古いページの片づけ
転送が効いていることを確かめてから行います。
- サイトの中のリンクの差し替え
メニュー・フッター・本文のリンクを、新しいURLに直します。
切り替え当日、何がいつ変わるか
新しいサイトを検索に出してから、古いURLを転送します
6(古いページの片づけ)と7(リンクの差し替え)は、転送を確かめたあとに行います。
順番には理由があります。2と3を逆にすると、転送先が「検索に出さないで」と言っている状態になります。5を2より先にすると、サイトマップがまだ出ていないため、Search Consoleの初回の読み込みに失敗します。dobも、この5を先にしてしまい、「取得できませんでした」と表示されました(2〜3日後には読み込まれ、エラーは消えました)。
転送は、ページを1つずつ書くより、URLの決まりで書くほうが漏れません。dobが移したときは、約1,900ページを3行の転送ルールで移しています。たとえば「/blog/ から始まるURLは、新しいドメインの /column/ 以下の同じ名前のページへ」のような書き方です(例です)。
公開直後に確かめること
切り替えのあと、トップページが表示されたことだけで終わりにしないでください。dobの作業でも、表示を見ただけでは分からない不具合が6つ起きました。
| 実際に起きたこと | 確かめ方 |
|---|---|
| URLを短くしたら、全ページで本文とお問い合わせフォームが消えた。ページの題名は正しく出ていた | 題名だけでなく、本文とフォームが出ているかを、階層ごとに1ページずつ開いて見る |
| フォームの迷惑送信よけが、古いドメイン用の設定のまま止まり、送信できなかった | 新しいドメインで、実際にフォームを送信する |
| 送信後に移る完了ページが、片づけたページを指していて「見つかりません」になった | 送信して、完了ページまで見る |
| 新しいサイトが、古いサイトのアクセス解析にデータを送っていた | 公開前に、アクセス解析のタグがどちらを向いているか見る |
| 古いページを削除したらURLが変わり、一部が削除からも転送からも漏れて、公開のまま残った | 片づけたあと、古いURLのページが0になるまで数え直す |
| Search Consoleへのサイトマップ送信が早すぎて、初回の読み込みに失敗した | 「検索に出さない」設定を外したあとに送る |
どれも、ページを開いて眺めるだけでは見落としやすいものです。フォームは送ってみる、アクセス解析はタグを見る、ページ数は数える。実際に動かして確かめます。
完了ページ(送信ありがとうございました、のページ)は、検索に出さない設定にしておきます。
今のサイトで、検索から人が来ているページを調べます
URLを送るだけ。3営業日以内にPDFでお送りします。
公開後の数か月にやること
転送の維持
Googleは、転送をできるだけ長く、一般的には1年以上残すよう案内しています。外部のサイトからのリンクは何年も残るため、dobは期限を決めずに残す方針です。古いドメインの契約を切らないことも、同じ意味で大事です。
新しいページへの置き換わりの確認
Search Consoleで、古いURLが検索結果から減り、新しいURLが増えていくかを見ます。Googleの案内では、小規模から中規模のサイトでも、大半のページの移転が反映されるまで数週間かかります。数日で順位が戻らなくても、慌ててURLを変え直さないことです。
古いURLだけのサイトマップ
古いURLだけを並べたサイトマップをSearch Consoleに送っておくと、古いURLの登録が減っていく様子を追えます。新しいURLへの置き換わりが落ち着いたら取り下げます。
ドメインごとの移転とアドレス変更ツール
サイト全体を新しいドメインへ移すときは、Search Consoleの「アドレス変更ツール」も使います。同じドメインの中でURLを変えるだけのリニューアルでは使いません。
まとめ
リニューアルで順位を守る中心は、古いURLから新しいURLへの301リダイレクトです。作業の前にページの一覧を作り、切り替え当日は「検索に出す設定」→「転送」→「Search Console」の順で進めます。公開直後は、本文・フォーム・アクセス解析を実際に動かして確かめ、転送は外さずに残します。
dobのホームページのリニューアルでは、今あるページの一覧づくりと転送の設計から始めます。
データについて
- この記事の手順と落とし穴は、dobが2026年9月に、自社サイト(dob.co.jp)の一部のページを別のドメインへ移したときの作業の記録をもとにしています。
- 転送を残す期間と、反映にかかる期間は、Google 検索セントラルの「URL の変更を伴うサイト移転」の記述によります(2026年10月16日に確認)。
- 落とし穴の中には、使っているWordPressのテーマやプラグインによって起きないものもあります。
この記事を書いた人
リニューアルの前に、今のサイトで
残すページ・転送するページを確かめます
ホームページのURLをお送りいただくと、10ページ前後のPDFにまとめて3営業日以内にメールでお送りします。
- 今の検索順位
- 同じ地域・業種の上位3社との比較
- 直すべき3点
- 直した後の見込み


